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110年以上続く名門ショコラトリー

イルサンジェーの創業者オーギュスト・イルサンジェーが生まれたのは1873年、普仏戦争直後のアルザス地方。悲惨な戦後の状況下、誰しもが陰鬱な気分に苛まれ、国中から笑顔と希望が失われていた時代でした。悲しみに満ちた街で育ったオーギュストにとって、午後のおやつは1日のうちで最も心が弾むかけがえのない時間。戦後の物資不足の中毎日少量ずつ配られるガトー(お菓子)は、何ものにも変えがたい特別なものでした。ガトーの中でも、ショコラは一番のお気に入り。その優しい味わいは、自分だけではなく家族や友人、ひいては町中の人々を幸せにする魔法のようにさえ思えたのです。頬張った瞬間に心いっぱいに広がる幸福感。オーギュストは日毎にショコラの不思議な力に魅せられてゆき、幼くしてパティシエの道を志すようになります。

イルサンジェーの創業

「自分の手で、愛する人々の笑顔を作りたい」
そんな夢を胸に念願のブティック「HIRSINGER(イルサンジェー)」を創業したのは西暦1900年、彼が27歳を迎えた年にあたります。拠点として選んだのは、フランス東部ジュラ地方の小さな田舎町アルボワ。オーギュストは、自分の姓をそのままブランドネームに起用しました。ジュラの厳しい大自然を力強く踏みしめる気高い鹿のように、一族がどんな苦難も乗り越えて繁栄することを願って。願いの通り、イルサンジェーは大地の揺れるような激しい戦争を2度乗り越え、時代も国境もこえて愛される名門ショコラトリーとなりました。強い意思と確かな技術は直系4代にわたり受け継がれ、今日も最高品質のショコラで世界中の人々の笑顔を生み出しています。

創業当時のイルサンジェー